2014年1月31日金曜日

『未来の日付』感想

どうも、大崎です。
年末のイベントでTACSさんが再頒布されておりました、『未来の日付』をプレイしましたのでその感想を書きます。
なおディスクは部員が買ってきてくれた1枚だけだったため、サークル室に希望者数名が集まってプレイしました。
ただしこの感想はあくまでも私個人の感想であり、サークル全体の意見を代表するものではありません。



■はじめに
まず賛辞を贈りたいのは、TACSの皆さんがこのゲームを「完成させた」という事実に対してです。
私は今まで3つのゲーム制作企画に関与しましたが、ゲームを1本通して完成させるという事は尋常じゃなく大変なことでした。
単純に技術が必要だったり作業量が膨大であったりという点もそうですが、それ以上に制作チームの組織力や各メンバーの熱意・責任感が重要で、どれが欠けてもゲームは完成しません。
TACSの皆さんはそれを成し遂げた訳ですから、この事は誇るべきだと思います。

■インターフェイスについて
ゲームを起動して最初に思ったのは、画面サイズが大きめな点です。個人的には嬉しい仕様です。
そして、これは体験版の時点で思っていた事ですが、ユーザーIFの出来がなかなか良くて、流石は豊橋技科大だなという印象でした。
長岡技大はIF設計とかコーディングに強い人が少ないので、有志で一からゲームを作ろうとするとかなり苦労すると思います。

■ストーリー全体について
ここからはお絵かきでもしながら語りましょうか。(修論執筆中につきあまり描き込めなくて恐縮ですが。
話の流れについてはネタバレになってしまうといけませんので、詳細までは語りません。

登場人物は主要キャラが(主人公含め)5名、あと脇役が数名といった感じで、分岐はありませんでした。
プレイ時間は少し駆け足でも何時間か掛かったので、ゆったり読むと半日くらい掛かるのではないでしょうか。
自主制作のADVゲームとしては平均的なサイズだと思います。

ストーリーは2年生の春、新たな出会いに始まり、幾つかのイベントを経て夏までを描く王道的な恋愛ものでした。
主人公の岬とヒロインの綾瀬を中心に、中学からの友人である景山と日野香、そして綾瀬の友人である渚も加わって話が進んでいきます。
基本的に綾瀬の趣味である絵をストーリーの軸としており、内容は単調過ぎず狙い過ぎず、バランスが取れていたと思います。

また途中で日野香目線に替わったり、立ち絵を動かしたりと、演出にも工夫が見られました。
キャラの台詞や所々に入る小ネタにもエンジニア心が現れた部分が多くあって楽しめました。
個人的にはやたら自己主張するDyD●自販機君が好きです。

あと「強いて言うなら」の話をしますと、
ストーリーは様々なイベントを積み上げながら最終的な一つの山場に向かって登っていくイメージでしたが、途中にも大きなアクシデントやそれに対する葛藤、強い決意や行動、主人公の明確な成長などがあれば、もっと話にメリハリが出たかなと感じました。
勿論これは、制作において作業量にダイレクトに響いてくる点ですので、合理的な判断をされた結果だと思います。
それとイベントスチルがもう少し見たかったなという印象ですが、これも上と同じ理由で致し方のないことです。

最終的な話のまとめ方はとても良かったと思います。
核心部分に触れるため詳細は言及しませんが、一つ挙げるとしたら終熄の中で明快に主題への帰結性を打ち出した点、とでも言いましょうか。

■キャラについて
1.岬
岬は序盤は会話苦手系かなと思ったりもするのですが、徐々に本音を語ってくれて彼なりの哲学に触れる事ができました。
それと彼は自分の感情に正直で、綾瀬への恋心がとても実直だったことには非常に好感が持てました。
何行か上で書いた事を自分で否定する形になりますが、彼が本当の意味で成長するのは、これから先のことな気がします。

岬は主人公なので立ち絵での登場が少なかったということで、私服バージョンを勝手に想像して描きました。
いつもながら絵が似ないのはどうにかしたいですね。

2.綾瀬
綾瀬は絵が好きで、この事が話の流れにおいて幾つかの切っ掛けと根幹を与えてくれました。
この辺りの着想は、普段から絵を描かれているTACSさんらしいという事でしょうか。
私はこういうクリエイター気質の女の子が大好きなので、プレイしていて感情移入しやすかったです。

さて綾瀬を描いてみたのですが、ちょっと誰か分からないですね済みません。
綾瀬はやっぱり制服が似合うということで制服姿ですが、その割りに制服のデザインも微妙に違いますね済みません。

3.景山
彼は基本的に脳筋で、決して器用なタイプではないのですが、察しが良くて実は空気を読める男です。
岬の事をいつも良い距離感で支えてくれているように感じました。

設定上、制服は学ランなんですけど、景山は上背があるのでブレザーとかジャケットが似合いそうです。
屋上でフェンスにもたれて紙パックのジュースとか飲んでそうな雰囲気です。
男性陣の髪型、実際描いてみると相当難しいですね…。

4.日野香
日野香はストレートな性格で、ガサツな部分もありつつ意外と乙女な部分もあるんですよね。
主人公のことも結構からかったりdisったりするのですが、不思議と嫌味じゃないと言いますか、何とも魅力的な子です。
あと彼女の登場シーンで流れるBGMが格好良くてキャラに合っていました。良い曲をチョイスされたと思います。

彼女はアクティブな性格なので動き易い服装が似合いそうです。(家では可愛いパジャマとか着てそうですが

5.渚
渚はお金持ちのお嬢様で、ちょっとズレた感じのキャラです。
ストーリーの本筋には大きく寄与する事はなかったのですが、全部読み終わると意外にも彼女がバランサーだったのかなと感じました。
今回一緒にプレイしたHow to ARTのメンバー的には、かなりこの子を推す声が強かったので、私も勝手に『渚アフター』を期待することとしましょう。

この絵はそんなイメージも踏まえてちょっと大人にした渚を描きました。アホ毛が消えてるのもそんな事情です。番傘って格好良いですよね。


といった感じで、各キャラとも1癖2癖はあるのですが、みんな捻くれてなくてとても素直なので見ていて微笑ましかったです。

■最後に
少し感想が長くなってしまいましたが、これでもまだ書ききれないくらい楽しませてもらいました。
制作に携わられたTACSの皆さん、本当にお疲れ様でした。
岬たちのその後の話も気になるところですね。『渚アフター』、どうでしょうか。

ちなみに、How to ARTでも「ADVゲーム作りたいねー」みたいな話は上がったりするのですが、エンジン部分から自分たちで作るとなると、やはり大変なのかなと思います。
私も以前ゲームを作った関係で少しだけプログラムを弄ったりはできますが、本格的にとなると難しいので、もし実際に作るなら本業の音楽部分を担当したいです。
当面はフリーのエンジンを借りてきて、という方法もありますけど、何か良い解決策が見つかると良いですね。

さてさて、そろそろ論文の方に戻りましょうか。
ではまた次回に。

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